日本古詩一百首
2012.12.14
このところ、読んでいたというより、眺めていた本です。


「日本古詩一百首」

翻訳:檀 可
出版:外国文学出版社
発行:1985年7月


百人一首が七言、五言絶句に翻訳されています。
ちなみに底本は、百人一首精釈 (尾崎暢殃、大坂泰 加藤中道館)だそうです。
訳者の前言によると、訳者は、河北師範大学の先生らしいです。

それはともかく値段が.... なんと「0.96元」....
購入当時、大学生でした....
あの当時の為替レートと現在のと考えると、単純計算で9.6元ですね。

大学生だった当時、注目したのは、やっぱり阿倍仲麻呂の


天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも


この本の中では

長空望月
遼闊長天玉鏡昇 仰首遥望動郷情
猶是当年春日月 曾在三笠山頂明


そういえば、この唐詩版は

望郷詩
翹首望東天 神馳奈良辺
三笠山頂上 想又皎月圓


この詩は
かの国人聞き知るまじく思ほえたれども、事の意を男文字にさまを書きいだして、ここの語つたへたる人に言ひ知らせければ、意をや聞えたりけむ、いと案ひの外になむ感でける。唐とこの国とは、言異なるものなれど、月の光は同じことなるべければ、人の心も同じことにやあらむ。・・・

と、紀貫之が紹介していたと、磯城島綜藝堂さんが敷島随想「百人一首歌人旅」の「連載」 第135回 第7番・その1 安倍仲麿ー長安の満月で触れられています。

男文字... 云々といわれると、平安時代までトリップのあのころまでトリップしてしまいますね。
その男文字の詩が、五言絶句の望郷詩であったのではないかと磯城島綜藝堂さんもかかれていますし、日本人が詠んだ唐詩を集めた中国の本の中にも入れられているのですが、古くはどこにおさめられているかないんですよね。いつかは勉強したいのですが、その前に積み重なっている本が!!!

閑話休題....

中国の人はこう解釈するのか.... といまさらながら、面白く詠んでいます。
それにしても、30年近く前の本ですが.... (^^ゞ

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