◇
燕京雑考 目次>>燕京歳時記>>
 
一月  
二月  
三月  
四月  
五月  
六月  
七月  
八月  
九月  
十月
十一月
十二月

・臘八粥
・白菜の漬物
・粥炊きだし
・鹿の褒賞
・仕事納め
・芝居納め
・家塾のお休み
・竈の神を祭る
・春節の対句
・門神
・絵売りの小屋
・除夜
・年を踏む
・年越しのお供え
・唐の花
・チベット香
・金のなる木
・お年玉
・紅手形
・切り紙掛け
・天地の供え机
・年送りの挨拶
・神迎え

 

◇

燕京歳時記 十二月 「芝居納め(封台)」


◇

官庁の仕事納めの後、宮廷の劇場も日を決めて舞台納めをする。
この日には都の八つの劇団が共演して芝居納めとする。
明くる年の元旦に『天官賜福』という芝居で舞台を再開する。
天下太平を歌っているからだ。

都の芝居についていってみれば、さまざまな流行がある。
咸豊(1851-1861)以前は南方調や北方調が流行った。
北方調は鐘や太鼓の伴奏はあるが、管弦の伴奏がつかない。
曲は哀愁を帯びた種類のもので、燕国の地方、すなわち河北に古くから伝わるものだ。
咸豊以後はもっぱら湖北の田舎芝居風が流行、最近では山西調が流行っている。
山西調は俗に、拍子木調といわれている。

劇場は内城にはなく、外城にあるだけだ。
八旗の兵士達が享楽にふけるを避けるためだ。

芝居のほかには、人形劇、影絵芝居、八角太鼓語り、道化物、俗曲、雑技、力自慢、声真似、太鼓語り、講談などがある。
くぐつとは、人形のことだ。またの名前を「大台宮劇」ともいう。
影絵芝居は灯を使って影を作って芝居を演じる。哀愁を帯びたものがおおく、年配の女性らが見ながら涙を流していることが多い。
八角太鼓語りは身分の低い人たちが数人で、胡弓などを弾いたり、歌を歌ったり、また冗談をとばしたり、人を笑わせるには一番だ。
道化物には、女形(おやま)、道化があり、芝居との違いは立ち役がないことだ。歌にはまとい絡まるようななまめかしさの特別な調子があっある。咸豊同治時代以前には、とても流行ったが、現在ではすでに廃れてしまった。
謡は調子がとても落ちついていて、歌詞も優雅だ。雑技と力自慢は手品と武技の類のこと。
声真似は、口技で、いろいろな鳥の鳴き声を真似たり、いろいろな調子の歌を披露したりする。喜怒哀楽、すべてを一人で演じ分ける。聞けばすばらしい技だということがわかる。
太鼓語りや講談は人の心を惹きつけることがおおい。太鼓語りは恋愛を題材にしたものが多いから、婦女子が真似て歌ったりするのは良くないことだ。講談は、講談師が手のひらをたたいたりするだけで、特に何の伴奏もない。そして豪傑や命知らずの者たちの活躍が生き生きと語られる。人々はこれを聞き、悪い道に入ってしまうものもいるので、世間のご意見番といわれる人達の中には講談を取り締まらせようとしている人達もいる。


訳注:

読むと日本の伝統芸能にも似たところが多くあります。
機会を見つけて、少しずつ紹介したいです。


2002/01/14
改稿2012/01/06

<<燕京歳時記<<燕京雑考 目次