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燕京歳時記 七月 「灯篭流し」


運河の二閘(にこう)には、端午以降大勢の人々が遊びにやってくる。

中元の日には盂蘭盆会があり、田舎踊りや獅子舞などが演じられる。
晩には河に沿って灯篭が灯され、流される。これがいわゆる灯篭流しだ。

中元が過ぎると遊覧船は休みになる。

『宸垣識略』には、

東便門外の大通橋から、通州の石(せきは)までは20kmあり、その間の土地の落差は13mほどある。
この間、慶豊など5つの水門があり、水を蓄えることが出来るようになっている。
水門にはそれぞれ官吏がいて配下が180名、300艘の船底の浅い船が配置されている。
大通河は、かつて通惠河といい、元の郭守敬が開いた。

と書かれている。


訳注:

灯篭:中国語の「河燈」を灯篭と訳した。「河燈」の形は、ハス型が多い。

ニ閘:北京から北京の東通州に向かって流れてる通恵河は地形の関係で落差があり、それを調節するために水門が設けられた。二閘はその第二水門。東便門外の大通橋から船で出かけることができ、かつては自然を楽しむ人たちでにぎわったという。
灯篭流しで最もにぎわった場所だったが、その後、北海公園などに賑わいが移ったという。


(中華民国時代の「北平(北京)地図」の郊外地図から)

郭守敬郭守敬:1231-1316 元の時代の天文学者。また水利に詳しく、水利工事でも業績が高い。元のフビライに使え、「時授暦」を編纂した。
→画像は、1962年発行の記念切手シリーズ「古代科学者」第2組の一枚


2001/08/05
改稿2010/07/16

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