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燕京歳時記 十月 「十月一日」


十月一日は、都の人にとって墓掃除の日だ。俗にこの日を「寒衣を送る」日という。

『北京歳華記』には

十月一日に墓に参るのは、中元の日と同じである。トウニグダで祭りをする。

と書いてあるが、トウニグダは元のモンゴル人の言葉で、これが一体何をさすのか、今ではわからない。

『帝京景物略』には

紙屋では、さまざまな色の紙で30cmほどの男女の服を作る。これが「寒衣」だ。「過去帳」という死者の姓名や一族の関係などを書いたものがあが、家族からの手紙のようなものだ。家々では、夜、先祖を祭り、門の前でそれらを焼くが、それを「寒衣を送る」という。

と書かれている。今では「寒衣」は冥土銭の包みに取って代わられた。冥土銭の包みは、あの世で使うお金を紙の袋に入れたもので、封をして表に「過去帳」のように死者の姓名を書いたものだ。


訳注:

過去帳: 原文は「疏印」ということば。意訳して過去帳としました。
中国で、お墓参りをする代表的な日は、
「清明節」、「中元」、そしてこの「送寒衣」といわれる、旧暦の十月一日です。

北京民間生活彩図:焼包袱図(包みを焼く図)


2001/10/04
改稿2010/10/28
画像追加 2015/11/09 

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