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燕京歳時記 八月 「中秋」


都で八月の節句といえば、中秋だ。毎年中秋には、貴族や裕福な人達は互いに菓子や果物を贈りあう。

十五日の満月の日には木の実や果物など庭に並べ月に供える。
枝豆やケイトウの花を供えたりもする。

白く冴えた月が雲もない空高くかかったころに、人々は杯を重ねあい、子供たちははしゃぎまわる。文字通りの佳節である。

しかし男はこのとき月を拝むことをしない。
都のことわざではこれを「男は月を拝まず、女はかまどを祭らず」という。

 


訳注:

中秋の様子

北京風俗図譜 第1部 歳時記14: 中秋のお月見」から

「菓子や果物を贈りあう」:月餅と果物などを贈ることが多い

中秋:中秋といえば、「中秋節」、「中秋の名月」と八月十五日のこと。ちなみに「仲秋」は旧暦の八月のこと。

「男は月を拝まず、女はかまどを祭らず」:添付画像でも祭壇の前で拝んでいるのは女性のみ、男性は、後ろのほうでそれを見ているだけ。
「かまどを祭らず」のかまどを祭る儀式は、年越しの儀式。
これについては「
十二月 「竈の神を祭る」」をご覧ください。


2001/08/26
改稿2010/09/08
訳注画像追加
2016/09/09

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