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燕京歳時記 九月 「花菓子」


花菓子には二つの種類がある。

一つは、小麦粉と砂糖で作ったもので、間に果物をはさみ、二段か三段重ねになっているもの。これは花菓子の上等なものだ。

もう一つは、蒸した餅の上にたくさんの棗や栗を飾ったもの。これは二級品。

重陽のために菓子屋ではあらかじめ作っておいて、これらを売りに出す。

『析津志』には

九月九日、都の人は小麦粉で菓子を作り、それを重陽の贈り物にする。また巷では莚の上に並べて売られた。

と書かれていて、現在と同じだった様子がうかがえる。

『帝京景物略』には

小麦粉で作った餅の上に棗や栗を星の如く並べたものを花菓子という。この菓子を売る店は華やかな旗を立てて看板とした。嫁に出した娘が家に帰り両親と共にこれを食べる習慣があったので、女の節句ともいう。

書かれている。今は、華やかな旗を立てて看板とする習慣も、嫁に行った娘が帰ってきて一緒にこれを食べる習慣もなく、意味合いは変わっている。


訳注:


2001/10/04
改稿2010/10/28

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