2003年8月28日 No,21
 
北京は日本人がいっぱい。駐在員さんもいれば旅行で北京を訪れている人もいます。そんな北京の空港での出来事。飛行機を降りた自分は市の中心へ向かうためバスのチケットを買おうとしていました。ふと見ると横には英語で必死にバスの行き先を尋ねるおじさんが。ただ最初は彼がどこの国の人かわからなかったため自分も黙って見ていたのですが、おじさんは自分が手に持っていた日本の雑誌を見て「日本の人?ちょっと助けてや」と。日本人とわかった以上そりゃ助けないわけにはいきません。さすがに一年半も中国で暮らしていればバスの行き先を訪ねるくらいはできます。しかもおじさんの横にはもの凄い美人の日本のお姉さんが!いいでしょう、お助けしましょう。普段使っている四川の訛りでなく、ちょっと気取った北京のアクセントで交渉をします。彼らが乗るべきバスのチケットを買って、荷物をバスに積んで、運転手さんには目的地に着いたら彼らに声をかけるように伝え、さあこれで完璧。でもなんか様子がおかしい。彼らはせっせと動く自分を尻目に早々とバスに乗り、タバコをふかしちゃっています。「あのー、これで大丈夫ですから」と自分。そしたらおじさん「なんだお前、ホテルまで連れて行ってくれるんじゃないのかよ!」。おいおいあんたにお前って呼ばれる筋合いはないですよ。しかもあなたまず「ありがとう」でしょう。日本人の礼儀はどこに行ってしまったんだよ。しばらく日本を離れていると自分の頭の中で日本の、そして日本人のイメージが美化される一方だったのですが、どこの国にもいろいろな人がいるんだと再確認した北京第一日目でした。ちなみにきれいなお姉さんはバスに乗るなり携帯で大声で電話をかけており、自分のことなど全く見ていなかったのでした。

通信21号今回もよろしくお願いします。


BASEBALL in Panzhihua

前回この通信を出してから出張等でしばらくこの街から離れていました。久しぶりに戻ってきた感想は相変わらず暑い!上海も北京も昆明もみんな夏も終わりに近づいているという感じだったのに、ここは相変わらず猛暑!いったいいつまで暑いのでしょうか。

 さてこの時期選手たちは9月1日からの新学期に備えて練習は一休み。毎日家で大量に残っているであろう宿題と格闘していることと思います。ちなみに中国の学校の宿題は恐ろしいほどの量です。日本では今どんな状況なのかは把握していませんが、たぶん日本の5倍はあるのではないかというボリュームです。これは小学校の低学年の子でも状況は同じで、「ゆとり教育」全盛の日本ではまず考えられないことでしょう。どちらがいいかは別にしても中国では高学歴志向が非常に強く、教育に対しては非常にシビアな考えを持っている親御さんが多いように感じます。

 うちの選手を見ても家庭教師をつけている家庭もたくさんあります。これには当然「一人っ子政策」の影響で子どもにかけられるお金が多いという要素もあるでしょう。また高学歴を持って一流企業に就職すれば、親の代では考えられなかった生活を手に入れられるということが現実になってきたことも親の教育熱心さに拍車をかけているように思います。一昔前は高級党員かその血族でしか享受できなかったような生活が、本人の努力次第で得られるという状況が現在の中国には確実に存在します。ほかの国で生活している皆さんには想像できないかもしれませんが、上海などでは高級マンションに住み、ドイツ車を所有し、年に1回は海外旅行をするという人々がたくさんいます。そりゃ親もがんばってしまうわけです。

 ただこの傾向は中国の体育界には深刻な影響を与えているようです。実際この街でもここ数年各種目の選手獲得が非常に困難になってきています。中国ではスポーツをやる子は体育専門学校に入学して、あくまで専門的に練習に取り組むというスタイルが長く続いてきました。ただ今では先述したような背景もあって親御さんは子どもを体育学校には入れたがりません。オリンピックに出られるならまだしも進学を犠牲にしてまでスポーツに取り組むメリットが全くないのです。この街の体育局には野球やソフトボールを含めて8つ種目があるのですが、9月の新学期に向けて種目によっては必要な選手数の半分しか確保できなかった種目もあるほどです。ただ野球とソフトはこの状況を打開するために一昨年から普通の中学校に体育クラスを開設してもらい、スポーツに取り組むことでの学業への影響を最小限に抑える画期的な取り組みを開始しました。日本的ともいえるこの方法は現状では非常に好意的に各方面に評価してもらっています。

 前にも書いたかもしれませんが勉強もできて野球もすばらしいなんて化け物はそうはいませんが、うちの選手たちは野球をやりながらも選択肢をたくさん持つことができています。これは中国では本当に恵まれた環境です。この幸福を自覚し、新学期からも勉強に野球に取り組んで欲しいものです。 

GO TO 上海!!

中国国内旅行にあまり行ったことがない自分も試合や出張なんかでなぜか上海に行く機会はたくさんありました。今月もまた行ってきてしまいました。そして自分はこの街が本当にお気に入り。北京も同じような大都市ですが上海の雰囲気はなんともいえないものがあります。ただ中国国内では上海人はケチで自分勝手で付き合いづらいなんていう評価が定着しているようですが、まあ外国人が遊びに行くにはいい街だと思います。最近では今まで東京に住んでいた外国人(アジア人以外)が上海に拠点を移すケースも増えているようで、アジアの中心都市になる日もそう遠くないのかもしれません。市内に2つある空港のうち国際線は最近浦東空港に一本化されたようです。この空港は市内から多少離れているのでタクシーで移動するのがいいでしょう。(150元程度、それ以上は要注意!)市内では旧外国公館が立ち並ぶ外攤、他にも豫園、魯迅公園などなど見所はたくさん。そして最近は新天地なんかも人気のようです。郊外にも蘇州、杭州、周荘など観光地があり古い中国の姿も垣間見られます。そして上海ではホテルのチョイスが重要。自分が泊まった中では「St.レジス」と「フォーシーズンズ」が素晴らしかったです。(どちらも日本では高くて絶対泊まれない!)「フォーシーズンズ」は今更書くまでもないと思いますが「St.レジス」も5つ星の立派なホテルです。日本からのツアーでこのホテルが選択できるかどうかはわかりませんが、もし選べるのであればぜひ泊まってみてください。まあ自分の場合どちらのホテルも日本から来た友人のお金で泊まったわけで、なおさら印象がいいのかもしれません。中国の中ではダントツで物価の高い上海も外国人からするとまだまだ格安で遊んだり泊まったりできる街です。機会があったらぜひ遊びに行ってください。


終わりに 

今回は選手も夏休み中ということでちょっと野球とは関係ないこともたくさん書いてしまいましたが、次回は新学期、ブクブク太って登場してくるだろう選手たちの様子もお伝えしたいと思います。

さて北京では本当に久しぶりにたくさんの日本人と会い、たくさん日本語を使ってきました。今回は中国国内の青年海外協力隊の健康診断と定期総会のため北京に上がったわけで、日本食を食べ、日本のカラオケを歌い、大いに満喫してきました。ただ恐ろしくなったことがひとつ。日本食を食べてから自分は一週間おなかを壊し、そしてここに帰ってきて四川料理を食べると下痢もピタッとおさまってしまいました。これは一体・・・・・。いろんな意味で帰国後日本に適応できるか不安な今日この頃です。

 

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