2003年3月24日 No,11
 
中国では外事弁公室というものがそれぞれの街にあって、主に外国との交流や在留外国人の実態の把握などを司っています。中国ではまあまあ重要な公的機関。自分も最近何かとこの街の外事弁公室の人と顔をあわせる機会も多くお世話になっています。現在攀枝花には20人弱の外国人が生活しています。日本人2人、アメリカ人たぶん5人くらい、あとイギリスやイタリアなんかから来ている人たち。街の面積が広いので一同に顔を合わせることはありませんが、みなさんこの山奥で頑張っているようです。ところで昨日外事弁公室から突然電話がかかってきました。また飲みに行こうというお誘いかと思いきや、お前真面目に聞けという前置きのあとで「英米のイラク攻撃が始まったので、充分に気をつけること」と。以前も書きましたが、この街にもイスラーム系の人たちがたくさんいて、反英米感情を持った人も多い。そして中国のメディアでは日本がイラク攻撃を積極的に支持しているという報道が一般的なようで、日本人である自分も充分に気をつけなければいけないとのことでした。日本にいれば対岸の火災視的にしか見られない遠い国の戦争も、ここではより身近に感じられ、なんだか不思議な感覚です。せっかくの凱旋イチローも観られなくなったことですし、早く落ち着いた世の中になることを祈って。11号よろしくお願いします。

BASEBALL in CHINA

4月から3月をもって『年度』とし、社会全体が動いている日本のカレンダーは他の国ではほとんど見られない不思議な風習のようです。ヨーロッパでも、そして中国でも新学期は9月から。これがきっと世界のスタンダード。最近では日本と諸外国とのこの『ズレ』によって弊害も出てきているようですが、日本人にとって、桜の樹の下で迎える春の新しい気分はなかなか譲れないものがあるのではないでしょうか。そしてこの3月は卒業式のシーズン。人それぞれ色々な思いがあると思いますが、自分は中学2年、高校2年で迎えた卒業式が忘れられません。別にひとつ年上の憧れの女性の卒業が寂しかったわけでなく、明日からは自分たちの天下だと思うととにかくうれしくて。野球部という前時代的な縦関係が生き残る環境で育った自分としては、ひとつ上の先輩たちの卒業式はまさに指折り数えたくなる重大行事。もう学校の中で先輩にびびりながら生活することも、でかい声で挨拶することもない。

 たかが先輩の卒業式を思い出したくらいで、26にもなった男に今も思い出し笑いをさせてしまう理由は、何があっても先輩には決して反抗できないという体育会系上下関係がそれだけ思い出深いものだったから。現在では体育会系上下関係の専売問屋野球部といえども、さすがに以前のような上下関係はなくなりつつあるようですが、年齢を起因とする上下関係があそこまで徹底されていた例は韓国をのぞけば世界的に見ても非常に希少なのではないでしょうか。 

もちろんうちのチームでもそんな感覚は皆無。現在のチームでは11歳から15歳くらいまでの幅で選手が所属していますが、11歳が15歳に文句言うのも日常茶飯事。先輩(あえて使います)のエラーにも怒る、罵る、ふてくされる。典型的体育会系価値観の持ち主の自分から見ると「この野郎、生意気な奴だ」なんて思ってしまうことも多々あるのですが、言われたほうも別に意に介していない感じですし、改めて日本の不思議な伝統の特異さを感じてしまいます。

選手たちには以前日本の野球部の様子を話したことがあるのですが、この上下関係に話が及んだときには異常な興味を示してきました。「もし先輩がミスったら誰が怒るのか」、「兄弟がいたらどうなる」、「3月生まれと4月生まれでも1歳違うじゃないか」などなど。ほとんど自分には答えられない質問ばかりでしたが、それだけ中国人には不思議な事に感じられたのでしょう。

歳が違う中でも好き放題に何でも言い合える選手たちを見ながら、高校時代に何時間も部室で正座させられたことを懐かしく思い出していた今日この頃でした。でもあれって自分がやられてる時は、自分が3年になったら絶対後輩にはやらないぞと思うのに、どうしてもやってしまうんだよなあ・・・・。


周さんのひとり言

最近大きな仕事もなく一時期の忙しさから脱出した周さん。だから少しストレスを発散したい周さん。でもお酒をほとんど飲めない周さん。そんな彼のお楽しみは『カラオケ』。ただここで問題が。中国のカラオケはお姉ちゃんがマンツーマンで付いてくれる。中国にお住まいの方はよくお分かりかと思いますが、中国のカラオケでは場所によっては売春までするところがたくさんあります。だから、ただ歌いに行くだけでも恐妻家の周さんにとってはカラオケに行くからお小遣いをくれなんて口が裂けてもいえない。だから口実には自分がよく使われる。

周さん「おい、カラオケ行こう、おごってやるから」

自分 「え?周さんさっきお金ないって言ってたじゃない」

周さん「大丈夫、お前の誕生日祝いでごはんを食べに行くからってお金もらったから」

この1週間後、彼は自分の誕生日のことなどすっかり忘れていました・・・・。


ザ・四川料理

 この間ちょっと料理のことを書いたら反響があったので、今回はちょっとご紹介。日本人のイメージとは違い四川では餃子をほとんど食べません。もっぱら炒め物。そして料理はご存知のとおり非常に辛い。基本的に使っている唐辛子の量が半端じゃないし、それを炒めて作った醤(調味料)が様々な料理に使われていて、これが非常にクセモノ。しかも四川料理はただ辛いのではなく、そこに『麻』の感覚がプラスされるのが大きな特徴。この『麻』は中国語でしびれるという意味。食べたあとに唇や舌がヒリヒリ。だから唇が荒れているときなんかもう最悪、拷問に近い。そんな四川料理の王様といえば何と言っても『火鍋』。ぐつぐつと煮えたぎる真っ赤な鍋の中に豚肉、内臓系、脳みそ、野菜、魚なんかを入れて食べるチャイニーズしゃぶしゃぶ。自分も赴任当時は食べながら次の日の朝のおしりを心配する毎日でした。四川の名誉のために書いておきますが料理全般に味は中華料理の中では一番美味しいと思います。機会があったら本場の四川料理を是非ご賞味ください。ちなみに写真は四川人の朝ごはんの定番『マーラー麺』。辛くて、しびれる麺です。自分もよく食べていますが以前日本人看護婦から「あんた、こんなの毎日食べてたら胃腸から血が出るよ」とご指摘を受けました。日本に帰ったら隅々まで検査したいと思います。


終わりに 

先日暴漢に襲われた同僚のコーチが昨日退院してきました。頭には大きく傷が残ってしまいましたが命が助かったというだけでも良かったと思うべきかもしれません。お見舞いメールをくださった皆様ありがとうございました。彼を襲った三人組は先週も別の人を襲い、今回襲われた人はナイフで2箇所刺されており重傷です。その意味でも彼は不幸中の幸いだったというべきでしょう。警察も真剣に犯人探しを開始したようです。中国国内だけでなく日本でも、その他の国でも、このご時世ということもありますし充分にお気をつけください。

 

 

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