2003年3月4日 No,9 |
NBA(北米のプロバスケットリーグ)で大活躍中の中国人選手ヤオミン。日本などで彼がどのくらい認知されているかは知りませんが、きっとアメリカでは今一番ホットで有名な中国人。中国国内でも彼は大人気、アメリカまで彼の試合を見に行く人も多いようです。テレビのスポーツチャンネルでも連日彼のゲームが放送され、以前の日本での野茂フィーバーを思い起こさせます。ところでこのスポーツチャンネル(中央電視台5ch)、地上波なんですが朝から晩までスポーツの番組のみを放送しています。欧州のサッカーから国内の卓球まで日本の地上波では考えられない充実度。しかし一日中サッカーの試合があるはずもなく、特に平日の昼間はどうやったって放送するものがなくなってしまう。そんな時何が放送されるか、その代表格は囲碁、ダーツ、チェス。え?これってスポーツなの?その疑問を何人もの中国人にぶつけてきましたが、中国ではこれらもれっきとしたスポーツ。この間なんかスポーツニュースのトップが囲碁の日中対抗戦だったし。しかも周さん曰く、以前国家体育局はアジア大会の種目にマージャンを入れようと躍起になっていたらしい・・・・。さすがにマージャンはきついでしょ中国の皆さん。でももし正式種目になったらメダルは全てあなた達のものさ。通信9号よろしくお願いします。 BASEBALL in Panzhihua 3月に入ってポカポカ陽気というよりも、蒸し暑さすら感じるようになった攀枝花。東北のハルピンなんかじゃまだ氷点下だっていうのにさすが中国の国土は広大。うちの選手たちは気温の上昇に正比例して一層元気ハツラツ。練習のメニューもかなりきついはずなのに、選手同士でケンカはするわ、夜中に学校の校庭でバスケットして先生に怒られるわで、その溢れるエネルギーを練習だけでは発散しきれないといった様子。自分にもあんな時代があったのかと思いながらも、彼らのパワフルな姿に感心する毎日です。 ただ自分は良いとしても、学校の先生にとっては授業中も元気一杯の彼らはある意味脅威。 「授業が始まる→飽きる→怒られる→また飽きる→また怒られる」この構図の繰り返し。思想教育の影響もあってか中国では一般的に先生がガミガミ言わなくても、授業中生徒たちはとても静か。だから体育クラスの子どもたちは先生たちによく怒られる。自分なんかが見るとそんなに怒らなくてもと思いますが、なかには親のかたきでもとるように怒る先生もいます。 しかしそこからの反応がうちの選手たちは違う。どう違うかって根本的に全然気にしない。精神的に強いのか、そもそも何も考えていないのかは定かではありませんが、怒鳴られても全く意に介さない。さすがにその場では反省した表情をします。でも30分、いや10分たったらもう元気ハツラツ。こっちは怒りすぎたかなと心配したりもするのに、そんな自分の表情を見て、当の本人が一言「具合でも悪いの?」って。 そんな彼らの態度に腹が立つこともありましたが、最近では逆に教えたくても教えられないものを持っているなと感心します。激動期を迎える中国社会でたくましく生きるためには、いちいち小さいことを気にしていても何もはじまらないだろうし、こういう面をなくさずに成長していって欲しいと感じています。 彼らの持っている優れた能力(?)で、もうひとつ自分が感心することは、彼らの演技力の高さ。特に足が痛かったりして練習を休みたいときなんかの表情、動きにはそれこそ4千年の歴史を感じます。そしてチーム随一の演技派俳優は写真のリーゾーウェイ。こいつは苦しいことが嫌い、つらいことも嫌い、面倒なことも大嫌い。だから何とか隙を見て練習を休みたがる。1ヵ月間で体の全ての部分が病むのではないかと思うくらい。昨日は頭、今日はお腹、明日は歯、といった具合に。しかしそんな演技派の彼も先日大きな失敗をしてしまいました。
こんな愉快なお子様たちと一緒に毎日練習に励んでいるわたくしであります。まあ自分も選手の時は演技派で売っていたのも事実ですが・・・・。 BIG FOOT !? 今回もちょっと感謝のコーナー。写真の方はJICA(国際協力事業団)北京事務所の職員だった羽田一三男氏。氏はこの2月をもって任期満了に伴い日本に帰国されました。彼には業務上のつながりだけでなく個人的にも非常にお世話になりました。チームの遠征費が不足していた際には、募金活動のお手伝いなどもして頂きましたし、また何よりも精神的な支えとして多大なるご支援を頂きました。改めましてありがとうございました。
終わりに 先日所用で北京に行ってきました。ここから北京にいくには列車で14時間、その後飛行機で2時間半、乗り継ぎの時間も含めると最短でも20時間ほどかかります。今回は時間がなかったため、北京滞在わずか19時間で帰ってきました。さすがに疲労を感じ中国の広大さを呪いました。この距離が災いしてか日本からの友人、知人もなかなか遊びに来てくれません。しかし一度来て頂ければこの通信だけではわからない、街や子どもたちの様子ももっとわかっていただけると思います。日本の方だけでなく中国国内の方も是非お時間がありましたら、この街に寄っていただければと思います。 万里の長城なんかただの長い壁です。上海なんて東京と大して変わりません。みなさん是非四川省攀枝花市へ!! |
|