2003年1月16日 No,4 |
アイスホッケーをご存知でしょうか。もともとカナダ、ロシアなど北方圏で絶大な人気を誇るスポーツで、北米大陸では野球などとともに4大スポーツに数えられ、NHLというプロリーグも各地で展開されています。野球を20年近くも続けてきた自分ですが、「観戦」ということに限れば世の中にこれ以上面白いスポーツがあるかと思うくらいです。 でも日本国内では間違いなくマイナースポーツ。しかもここ数年は世界のレベルアップに完全に取り残された感もありました。しかし開催国特権で出場した長野オリンピックではたった1勝とはいえ強豪国ぞろいの中で勝ち星を挙げ、NHKの全国中継もあり宣伝効果は抜群でした。が、それを契機にホッケー熱が高まったという話も、日本リーグの観客動員が増えたという話も聞きません。アイスホッケーの場合、一部の地方を除いては道具を購入するのも困難で、プレーするにもまず環境がない。実際に観戦したり、プレーすることができなければ、やはりそのスポーツの普及は難しいのでしょうか。 そこで中国の野球ですが、たとえ2008年に代表チームが好成績を挙げたとしても、観戦したりプレーしたりする環境がなく、道具もない状況であればそれ以上の発展はなかなか難しい。やはり重要なのはその時にどれだけ環境があるかです。 そんなすごくでかいことを考えながらも、野球人口拡大のためと自分に言い聞かせ、なかなか言うことを聞かない週末キッズたちの練習に励む私であります。通信4号よろしくお願いします。 BASEBALL in Panzhihua 旧正月を盛大に祝う中国では、大体この時期から学生たちは冬休みに入ります。一般学生にとっては期末テストも終わりほっと一息といったところでしょうが、うちの選手たちにとっては憂鬱な毎日がスタートします。朝から晩まで野球漬けの毎日が。
こんな感じで、 ホー「道が混んでてバスが進まなかった」 自分「お前の家からここまでバスで5分だろ!!なんで1時間半も遅刻すんだよ!!」 ホー「・・・・・・(号泣)」 はたまた、 ホー「このユニフォームを洗濯して乾くの待ってたら遅れた」 自分「お前、今着てるユニフォーム昨日の汚れついたままだろ!! 洗ってないだろホントは!!」 ホー「・・・・・・(号泣)」 こんな感じで毎回毎回すぐわかるうそをつき続けてくれるんです。国民性なのか、大人も子どもも時間に比較的ルーズなこの国なんですが、自分が時間厳守だけは普段からうるさく言っていることもあって彼はチーム内の怒られランキングナンバー1。ただ彼の偉いところは遅れても毎日必ず練習に来るということ。実際、自分もいつ辞めると言い出すか毎日ハラハラしながら見ていたんですが、案外野球が気に入ったのか毎日練習に顔を出してくる、ホント感心するくらい。中国でも大人の顔色を見ながら行動する子が多くなっている中で、彼の存在は自分にとっても新鮮です。確かに野球の技術は同年代の他の子に比べて落ちますが、もし彼が野球の楽しさを感じてくれているのならこれ以上うれしいことはありません。彼のようにより多くの子どもが野球を通じて何かを感じてくれれば、自分の活動も無駄じゃなかったと、後で振り返られるのではないかと思う最近です。いつかホーが遅刻しなくなる日を夢見て。でもあいつが遅刻しなくなったらちょっと物足りなくなるかも・・・・・。 感謝感謝 ひとりで何でもできると思っていても、結局は周りの人に助けてもらうことが非常に多い今日この頃。特に異国にいるとその貴重さを痛感します。先日の野口さんに続いて今回は北京で「人民中国」という雑誌の記者さん坪井信人さんに大感謝。彼もやはり北京の日本人会野球同好会のメンバーで普段から中国のスポーツについての情報などを提供していただくなど非常にお世話になっている方。そして今回彼が発行しているメルマガ上でこの街の野球及び通信のことを紹介して頂きました。体操、サッカーなどナショナルチームレベルの内容が多い中、こんな小さな街の野球チームの話を取り上げてくれてほんとに感謝感謝です。このメルマガではなかなかわかりにくい中国のスポーツの実情を坪井さんがわかりやすく説明してくれています。中国のサッカーフィーバーの正体、国家による選手強化の方法など内容は多岐に渡ります。登録さえすれば週一回のペースで配信してくれますので皆さんもぜひアクセスしてみてください。坪井さん本当にありがとうございました。
終わりに 日本では世界に羽ばたくスポーツ選手がもはや日常となり、サッカー界、野球界ともにスター選手が活躍の場を海外に移しているケースが増えています。中国でも今後そういった選手が増えていくことと思いますが、彼らにとって日本のスポーツ界がどの程度魅力的な場所かという点にはかなり疑問があります。スポーツに限らず、うちの選手に行ってみたい国を聞いても日本を挙げる子は思ったより少ないです。出て行く人を防ぐ心配ばかりをするのではなく、他の国の人にとって魅力的な国になることが大切なのではないかと思います。 アフリカで働く友人が言っていましたが、海外にいて痛切に感じること、それは世界の平和。自分も同感です。月並みですが今年が世界の人々にとって平和な一年になりますように。そして松井がいなくなって今年こそ阪神が優勝できますように。それではまた。 |
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