11. 歴史-10


8.宋-3 文化

宋という時代は、「日宋貿易」という言葉からもわかるように、日本もいろいろな部分で多いに影響を受けています。今回は文化に絞って紹介したいと思います。

宋学: この時代、儒学は宋学とも言われる思想に発展しました。周敦頤にはじまり、程こう、程頤の学説を総合して、朱熹が大成させたので、朱子学とも言われます。以前の儒学よりも道教、仏教の影響を大きく受けています。日本では特に「大義名分論」(君主関係のにおいて芯化の守るべき節操と本分が解かれている)が大きく影響を受けました。

宋詞: 唐が詩の最盛期だったとすれば、宋の時代は詞の時代でした。今でも子供達が古典の基礎として勉強するのが唐詩100首、宋詞100首です。

絵画: 南画は山水画風の画風を言います。それにたいする画風を北画といいますがこちらはあまり定まった画風はないようです。宮廷の中では南画が幅を利かせていたようです。また士大夫階級の人達が文人画を発展させました。

禅宗: この時代は仏教では禅宗が栄えました。日本からも榮西、道元が学びに来て、五派七宗のうち臨済禅と曹洞禅を日本に伝えました。

三大発明: 宋の時代に三つの大きな発明がありました。火薬、羅針盤、活版印刷です。これらに紙を加え、中国の四大発明といいますが、これらは西方に伝えられ、改良されルネサンス期に花を開かせます。

茶: 漢の時代にはじまるという飲茶の習慣は、唐の時代に民衆の間にも広まったといいます。宋の時代には周辺諸国にまで広まりました。

宋磁: 宋の時代の磁器で、ともに中国で編み出された白磁、青磁が有名で、宋の時代にもっとも発達しました。名品が多く、世界的な美術工芸品といわれています。

伝奇: 伝奇とは中国の古い短編小説の事です。唐宋の伝奇が有名ですが、これらは日本でも多く伝え読まれました。日本でも有名な杜子春もこのなかに入ります。宋の伝奇からは華やかな北宋、そして南宋の様子を読み取る事が出来ます。(これはそんなにご紹介するものに属するわけではないのですがぽんずが個人的に好きなものですから(^^ゞ)

 

一口メモ <詞>

唐の詩、宋の詞と良く言われますが、はてさて詞とはどのようなものでしょうか。

詞は楽曲の歌詞として成立したのだそうです。西域伝来の外国の音楽に刺激され唐の時代に作られるようになり、宋の時代に発達しました。男女の情愛を詠み込んだものを婉約詞・南宋時代に起こった愛国詞群を豪放詞といい、この二つが詞の代表的なものです。他にも大晟詞、格律詞、風雅詞、江湖詞などがあります。

唐詩が厳格なスタイルを守りながら書かれるのに比べ(七言五言など)、宋詞は特に定まったスタイルがないようにに思われますがのが、歌詞として書かれているため、詩よりも複雑な規定があるようです。使われる言葉としては、あふれでる気持ちを書き表したものが多いので詩に比べ世俗的な言葉が使われています。

有名な詞人は、まず蘇東坡(蘇軾)でしょう。「赤壁の賦」(これは「詞」ではありません)が有名ですが、北宋第1の詞人といわれています。また、前回触れた岳飛もとても有名な詞人でした。

最近、中国では幼いころから子供たちに唐詩、宋詞を朗読させています。そのため、「唐詩百選」「宋詞百選」などの本がピンインつきで各種出ていますので、興味のある方はぜひお読みください。簡単な解説がついています。

参考文献として蘇東坡の「念奴嬌 / 赤壁懐古」を準備しましたので、ご覧下さい。

 


<<BACK<< TOP >>NEXT>>

 

中国歴史・習慣・風俗の雑記帳「ぽんずのページ」