ミトンとYoko&Ianの大騒動

2000年2月ゴマがやってきた!

今回の特別登場猫
ゴマ ダディーの知人の猫
年齢はミトンと同じ1歳10ヶ月程度。オス、去勢済み
白猫、ミトンも真っ青の巨大猫。

2月4日(金)

 なんと猫娘宅にゴマという猫がやってきた。3週間の滞在予定だ。

 ゴマはダディーの知人宅の猫で、子供との接触はほとんどない。他の家に預かってもらったということだが、他の猫との接触もはじめてのようだ。

 猫娘と弟・イアンが帰ってくる前にゴマは到着。ミトンは自分のお気に入りの場所で、他の猫が自分の家にいるのも知らずにお昼寝。子供たちは猫が来ているとのことに興奮して帰ってきた。

 「おっきぃ!」というのが最初の感想。ミトンも巨大だが、ゴマはなんとミトンを上回る大きさだったのだ。真っ白で、そのことは猫娘をして「シャンプーさせなきゃ!」と言わしめた。

 さびしそうなゴマを見て、猫娘はリビングに一緒に寝るという。第一日目は無事に終わるようだ。

 

2月5日(土)

 12時、春節を迎える花火の音で目を覚ましたのか、ゴマの鳴き声で目を覚ましたのか……。リビングに下りると猫娘の姿はなく、なぜかテレビがついていた。そしてさびしそうなゴマの鳴き声。しばし花火をミトンと鑑賞し、ぽんずは屋根裏にミトンを残しリビングのソファーにゴマと寝る事にする。さびしそうな鳴き声をあげるゴマも時々声をかけられると安心するのか鳴き声がやむ。

 朝猫娘に聞いてみると、足をゴマにくすぐられ、寝るに寝れず自分の部屋に戻ったとのこと。ま、しかたないか。テレビは、ぽんずより先に起きた猫娘のダディーがつけたようだ。

 ミトンとゴマの関係は、悪くもなく、よくもない。お互いに意識をしているが、お互いの認識をはじめると暇を持て余している猫娘の弟・イアンがどこからともなく現れ、2匹にちょっかいを出す。ゴマにとってイアンは気になる存在だ。

 二日目を迎え、ゴマも家になれてきて、居心地のよい場所を探し当て、お昼寝を少しだがしていた。ミトンは我関せず。いつもの時間に、いつもの場所で猫娘に邪魔をされながらもお昼寝タイム。春節の休みの間、二匹はお互いにとって子供達のほうが扱いにくい相手として存在しているかもしれない。

 

2月6日(日)

 昨晩、無謀にも私達は2匹を置いて外食に出かけた。2匹はその間に気を許しあった?ようだ。それのおかげで午前中家を空けることが出来た。私達が家に帰ってくると2匹並んでお出迎えというのがなかなかかわいい。

 窓の外を見て泣いてばかりいたゴマも泣かなくなった。それにイアンにもなれてきたようだ。家の中にお気に入りの場所を見つけ、昼間はそこで寝ていた。

 ミトンとゴマが喧嘩をしないのはよいが、夜中に2匹で運動会をやっているのには閉口気味のぽんずであった。ゴマは家に帰るころにはスリムになっているかもしれない。

 

2月9日(水)

 ミトンとゴマは7日のパーティーでも人気者だった。特に人気が集まったのはゴマ。人見知りもせず、皆のところに出てきていた。ミトンはというと「今日の主役は譲ったぜ!」という感じで、最初に出てきたきりでてこなかった。……ちょっとお兄ちゃんぽかったな。

 その次の日、8日。猫娘と弟は春節の縁日に出かけた。ぽんずの主治医のおじいちゃんおばあちゃんと一緒だ。そして、なんと!なんと!なんと!猫娘はウサギを買ってもらってきたのだ!!なんと言うこと。うちにはすでに猫が2匹と……実は亀が1匹待っているのに。それに、それに、それに、名前までつけてきたのだ。フロプシーってピーターラビットの妹の名前。……猫娘曰く、メスなのだそうだ。

 ウサギを連れ帰った猫娘、自分の部屋で飼うのだという。またまた大騒動の種を自ら作った猫娘とミトンの戦いは続きそうである。

 ミトンは、ウサギの臭いを嗅ぎ取ったようで、ウサギがしばらくいたところをうろうろして、にゃ〜にゃ〜鳴いていた。前途多難である。

 

2月16日(水)

 なにもUPがない事で、皆さんにもわかってもらえると思うが、ミトンとゴマ、なんの騒動もない。仲良すぎる!2匹で追いかけっこなどをしているが、喧嘩にはならない。なぜだろう。

 昨日、そういえば、ゴマがミトンにどつかれていた。何があったのだろう。

 騒動と言えば、寝床争いが一度あった。しばらく2匹とも場所を争うべく手を出していたが、いかんせん喧嘩の仕方がわからない。結局先に場所を取ったほう(今回はミトン)がそのまま居座り、ゴマはミトンの寝床で寝ていた。その後もう一度、ミトンの寝床にゴマが居座り、同じような事が起きていた。

 食事は……と言えば、仲良く食べている。ミトンはゴマに比べて食べない。ミトンの食べ残しをゴマが食べている姿をよく見る。ふと気がついてミトンが残りを食べに来たときは遅い。すでに食器の中は空っぽ。さびしそうにミトンはうろうろしている。

 よく「どだっ!!」とゴマが落ちるおとがする。はじめはなんの事かわからなかったが、電子レンジの上から、好物のサキイカがしまってある戸棚の扉を開けようとして失敗している事が判明。食べ物に対する執念はミトンにはないもので、感心してゴマを見ている。

 2匹は遊び相手がいるので、夜も楽しく遊び、昼間は仲良く寝ているが、あまりに夜が賑やかで、ぽんずは若干寝不足だ。2匹が喧嘩をしてどうしようにもないというよりはよほどよいが……。

 

2月16日(水)……その2

 私が何もないとUPしようとしたのを知ったのか……その午後の出来事。

 猫娘は学校が半日で帰ってきた。友達が二人遊びに来て、3人でフロプシー(ウサギ)を相手に遊んでいた。ビッキーの家に行ったり、うちに戻って来たり……。

 お手伝いさんの李華さんが帰り際に「ゴマを見かけないのだけど……どこで寝ているのかしら」とぽんずに声をかけた。そういえば……

 ミトンはいやに「にゃーにゃー」鳴いている。こんな鳴き声を聞いたのは、前に飼っていたウサギが死んだとき以来だ。不安に思い家中を捜してもゴマの姿はない。ビッキーの家から帰ってきた猫娘に聞いても私はキッチンの中にいるゴマを見ただけという。

 その時ふと、外を白猫がよぎった気がしたぽんずは「アパートのガードマンのお兄さんに白猫を見なかったか聞いてきてごらん」というと猫娘は中国語があまり出来ないながらも外に出た。ぽんずはゴマの飼い主の直接の知人である猫娘のダディーに電話。事の次第を継げておいた。

 しばらくしてリビングを覗いてみると目を真っ赤にした猫娘が寂しく座っている。「一人のお兄さんがゴマを見かけたって!」……こりゃ大変。ぽんずも慌てて外に飛び出す。アパートの管理センターにいくと「見たわよ!あの白くてでかい猫でしょ?」とすぐにガードマンに連絡をしてくれた。管理センターのお姉さん曰く「アパートの中に住んでいる野良ちゃん達と追いかけっこしていたから、ここからは出ないわ」。そう、このアパート、一戸建てが200戸近くある外国人向け住宅地なのだが、帰任になった人達が猫を置いていってしまうらしい。それが野良猫と化して「光明公寓の野良猫」と呼ばれているのだ。その猫達はこの敷地を出ることなく、各戸からでたゴミをあさって生きているらしい。

 家の目の前のガードマンのお兄さんに聞くとなんと目と鼻の先に猫のたまり場があると言うのだ。ここ数日は気温も上がり猫も盛りがついたらしく、5、6匹が毎晩集っていると言う。その実ぽんずもゴマを探している間に3匹の猫を見かけた。プールの近く、家と家の間と数カ所を猫娘と共に探すがゴマの気配はない。ガードマンのお兄さんも猫の鳴き声を聞くたびに追いかけてくれる。

 探し始めた頃すでにあたりは真っ暗だったが、気温もかなり下がり始めている。「光明の野良猫達と一緒なら、明日探しても一緒かな?」と気を持ち直し、家に戻る……と玄関にゴマの姿が!!足元に寄添いお腹がすいたと訴えている。「????」体を触ってみると心なしか冷たい。そうだ、お腹が好いて帰ってきたのだ。ゴマはうちがわからないだろうと心配をしたが、彼もよくわかっていたのだ。そして、お腹がすいて、食事をすべく家に戻ってきたのだった。

 猫娘は泣いて喜んでいた。ホッとしたのだろう。足が棒になるほど探しまわったのは猫娘だ。「あなたのせいじゃないの。ゴマだってお外に出たいと思ったのよ。でもお腹がすいたから帰ってきたの。よかったね」とぽんずはそう言うのが精一杯だった。

 ゴマが帰ってきて、ミトンも落ち着き、猫娘も落ち着き、その間、猫娘のダディーに報告すべく、携帯に電話を入れるも、なぜか話中。ダディーはまだ心配しているに違いない。しかし、連絡のとりようはない。

 

2月17日(木)

 災難は忘れたときにやってきたのだった。それもダブルで。昨日のゴマの脱走劇の次は、フロプシーの死だった。

 道端で売っているウサギは弱い。1週間もてば良い方……とミトンの主治医の獣医さんが言っていた。そしてあっけなく、フロプシーは逝ってしまった。

 猫娘の衝撃は大変なものだった。それ以上に彼女が学校にいっている間世話をしていた私のショックも。

 「ウサギが死んだの2匹目だね」とすらりと言ってのけたのはイアン。たぶん彼はフロプシーに触れさせてさえもらえなかったのだろう。

 フロプシーが死んでしまい、猫娘の部屋のドアは再び開放された。喜んだのはミトンである。ミトンはしばらく前まで自分の寝床だった猫娘のベッドの上で、悠々と昼寝をはじめた。

 「もう、買わないわ」猫娘はしみじみと言った。その彼女も何らかの成長をしたようだ。

 マミーさんのマンションの4階にフロプシーは入居していた。そんな皆の好意も、私には良い思い出になった。短い間だったけれど、一緒にいて本当に心が和んで、楽しかった。  

 今日は悲しいお知らせでゴメンナサイ。

 

2月22日(火)

 ゴマの滞在も残すところ後わずか、仲良くしていて、羨ましいぐらいの2匹。ぽんずが朝目を覚ますと、二匹が一緒に足にまとわりつく、えさも一緒に仲良く食べる……そんな毎日だ。

 さて、ぽんずは屋根裏……とはいっても3階でとっても広いスペースがある場所なのだが……に用事があってのぼっていった。階段に以上と言えるぐらい多くの抜け毛が散らばっている。そして3階の床には……
言葉にならないほどの毛が!散乱していると言っていいほどの量だ。

 そういえば、今朝、2匹の叫び声が聞こえていた。おかしいと思い「ミトン!ゴマ!」と声をかけると2匹は何気ないようすで下に降りてきたが、喧嘩をしていたに違いない。その時は起き抜けだったので深いことはなにも考えなかったが、二匹もやっと喧嘩ができるようになったようだ。

 やっと喧嘩もできる関係になった2匹も、あと数日でお別れ。ゴマが帰ってしまったあとのミトンは寂しいだろうなぁと思いながら、たぶん一番寂しいのは、ぽんずなのではないだろうか。

 

2月26日(土)

 ゴマの御主人達がお迎えにきた。ゴマはそそくさとバスケットの中に入る。ところが途中で何を思ったのかバスケットから這い出し、トイレに向かう。しかし、そこにはすでにミトンのトイレしかない。自分のトイレのあったところをうろうろして、不思議そうにしている。

 トイレがないのを見て、次は餌がおいてあるところへ向かう。こちらにももう自分の食器はない。なんとなく落ち着かない様子。ミトンにサヨナラをしようと思ったのかな?

 再度バスケットにもぐりこむと、しっぽをパタパタさせている。ゴマもホッとしたのだろう。やっぱり自分のご主人様達だものね。

 ぽんずと猫娘は言葉少な。何かを言おうとすると涙になりそう。3週間も一緒にいたのだもの。

 ゴマは帰っていった。ミトンは急におとなしくなった。家の中が急に寂しくなった。 

 

その後の2匹

ゴマは、家に帰ったものの、はじめてのところに来たようにウロウロと歩きまわり落ち着かなかったと、飼い主の方に聞かされました。

ミトンは、数日間食欲もなく、しょぼんとしていました。その後ようやく食欲が戻ったのは3月2日になってから。

2匹にとってもなかなか大変な環境の変化になってしまったようです。


<<back<< ぽんず 在 北京 >>next>>
過去のアルバム