猫娘と猫の大騒動2000年/3月-5月


3月2日(木)

 ゴマが帰ったあと、食欲もなくしょんぼりとしていたミトンが、今日から復活した。急に食欲も出てきて、行動も元に戻った。

 ここ数日、私の足元にまとわりついて離れず、また何かを話しかけるように「にゃーにゃー」鳴いてばかりいたが、それもなくなった。

 猫娘が帰ってくる隙を玄関で狙っている様子もうかがえ、ゴマが帰ったあと、猫娘とミトンの戦いは再開する兆しである。

 

3月3日(金)

 猫娘とホームステイに来ているキム、キンバリーの3人が出るコンサートを終え、2台の車に分乗して家に帰ってくる。先についた猫娘のダディーが外にいる。

 「ミトンを外で見たんだよ。呼んだら返事をしたからあれはミトンだ。イアンはよその黒猫だったよって言って寝ちゃったんだけど……」とうろうろ。

 家に入ってみるがやはりミトンがいない。いつ出ていったのだろうか。私たちが家を出たのは5:30。お手伝いさんが帰ったのは6:00。そのいずれかの時間から今の時間、10:00近くまでずっと外にいたのか……

 とりあえずダイニングのいつもの窓をあけ、リビングに戻ろうとすると後ろから「にゃ〜」というミトンの声が。つかれて家に入りたくてうろうろしていたのかもしれない。窓があくのを待っていたようなタイミングで帰ってきた。

 毎度のように帰ってきたミトンを抱きしめて何かを言い聞かせていた猫娘、ミトンを床に降ろして一言。

 「なんか臭い。」……確かに埃っぽくって、アスファルトの臭いがする。いったいどこをほっつき歩いていたのだろうか。

 キムもキンバリーも心配してくれていたらしく、ミトンの顔を見て安心した顔をしていた。

 帰ってくるなり、餌をがっつくミトン。ゴマがいなくなってから落ちていた食欲は、完全に戻ったようだ。

 

3月4日(土)

 ミトンの変な臭いが気になる。埃と、なぜかアスファルトの臭さと、土の匂いと……がミックスしていて、鼻につく。意を決して、シャンプーをする事に。

 猫娘とぽんずがお風呂場にミトンを連れていき、とりあえず水で毛をぬらす。……なぜかミトンはおとなしい。

 その後、シャンプーをつけてゴシゴシ洗う。……それでもミトンは嫌がらない。

 洗い終え、すすぎに入る。……ミトンの様子は変わらない。

 すすぎ終わり、とりあえずタオルで水分を取ってやろうとしたところ、逃げ出した。びしょぬれの体で椅子の下に入り込み、出てこようとしない。体を振るわせ水分を飛び散らそうともしない。このままでいたら風邪をひくのではないかと心配になった。とりあえずミトンを引っ張り出し、無理矢理にもある程度体をふいてやると力いっぱい体を振るわせ、水分を飛び散らしていた。その後、お気に入りのところで毛繕い。無事にシャンプーは終わったおであった。

猫娘の感想:ベアトリスから自転車用のヘルメット借りてこようと思ったのに、必要なかったわ。こんなに簡単ならしょっちゅうできるわね。夜もシャンプーしてあげようかな?

 

3月13日(月)

 夜遅く、外で猫の鳴き声がした。「あれ?ミトン……」

 気がつくと、またまたミトンがいなかった。外から聞こえてきた鳴き声がミトンのものかどうかはわからなかったが、その鳴き声で、ミトンがいないことに気がついた。

 そういえば、夕方、猫娘の弟が帰宅したとき、叫び声が聞こえてきたが、もしかしたらその時にミトンに逃げられたのかもしれない。

 いつもの窓を開けミトンを待つ。すると、すぐそこにミトンが現れた。しかし、ミトンは私の顔を見ると、すたすたとまたどこかに消えてしまった。それに焦ったぽんずは、サキイカを窓のところに置いた。これなら匂いも強いし、ミトンはすぐに現れるに違いないと思ったからだ。

 案の定、ミトンはサキイカの匂いに釣られて家の中に入ってきた。そしてサキイカには目もくれず、階段をすたすたと上がっていってしまった。

 ダディーは明日の朝、イアンを問い詰めなくては……と言っている。ミトンに逃げられたら、きちんと申告するように言わなくては。

 

3月19日(日)

 子供たちが玄関を出入りしている隙にミトンが逃げ出した。子供四人がミトンを追う。ミトンはそれに驚いたのか、隣の家との隙間に逃げ込んだ。しかし向こう側は雨どいになっていて出て来れない。

 鈴を鳴らす、雨どいの方から驚かす……隙間に石を落とす?などなど子供たちは色々な事を試しているが、一番ミトンが怖がっているのは子供たちのことのような気がする。しばらくは男の子二人、そして女の子二人で大騒ぎをしていたが、イアンが帰ってきてそれに加わった。その騒ぎたるやいったい何が起こったのだろうかというすごいもの。結局ミトンは隙を見てその場から逃げ出した。そしてその場から逃げ出した一番安全なのが家の中と悟ったのかいつもの窓から家に逃げ込み、私の部屋に一直線。スキャナーの上に陣取り、毛繕いをはじめた。

 家の中に入ってきたミトンのあとを子供たちが「玄関」から入ってきた。ミトンが戻った事を確認すると、なにもなかったようにポケモンのゲームに熱中し始めた。

 

4月28日(金)

 再びゴマが我が家にやってきた。ミトンはゴマが帰った後にやせてしまったが、ゴマはあの頃以上に大きくなっていた。

 始めは警戒していた2匹も、とりあえずは思い出したのか、夜中には2匹でいたずらをしていたようだ。今回の滞在は1週間。どんな騒動が待ち構えているのだろうか。

 

5月6日(土)

 あっという間にゴマが帰っていった。玄関を出た直後にゴマの叫び声が。ちょっと悲しかった。

 ミトンもしばらくすると玄関をうろつき始めさびしそう。また拒食になったらどうしよう。

 ゴマの飼い主さんは、是非ミトンを預からせてくれと言っているが、子供と父親の休みが一致しない生活をしている我が家は、順番に日本に帰るので預かってもらわなくてはいけないと言う自体にはなかなかならないのだ。でも、あまりに楽しみにしているので、何かの機会に、お願いしたいと思っている。


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