北京に暮らして
 
18:国連の日

 2002/10/28

国連の結成記念日にあわせて、
小さな国際社会である子供たちの学校では 毎年「UN-DAY」という行事がある。
子供たちは、必ずどこかの国に属してミニオリンピックのようなパレードを行う。
全部で50数カ国。

たった一人だけのパレードもあるけれど、
それぞれが民族衣装、国旗を手に パレード行う。
式典では校長の挨拶ばかりではなく国連の関係者の挨拶もある。
見渡せば、 この学校に子供を通わせている駐華大使や大使夫人の姿もちらほら。
最近ではこういう機会に中国の学校の生徒たちを招待、交流を深めている。

地元の子供たちにしてみれば、国際理解、そして
英語に接することの出来る貴重な機会だ。

30近い国の紹介が行われるので、
沢山の国について一度に学ぶことが出来て、
地理のつまらない授業を受けるよりも効果があるに違いない。

高等部では模擬国連総会が行われ、
高等部の生徒たちはスーツを着てそれに臨む。

中学部の生徒たちは、先生から与えられた
各国理解のための課題をこなすべく
各国のお母さんたちにいろいろと質問をしてまわる。

小学部の子供たちは世界平和を願い、
クラスでいろいろな勉強をする。
特に3年生では原爆について勉強、サダコの折り鶴について勉強して、
3年生全員で千羽鶴を折ることになっている。

もちろん、日本人のお母さんたちはこの日、
日本のテーブルで折り紙を実演で紹介する。

中国にある学校、そして韓国人が多いこの学校で、
日本人である子供たちは歴史の勉強をすると肩身が狭い。

「日本」と先生が言っただけで
子供たちの目は日本人のクラスメートに集中する。
子供たちの目はストレートだ。

この日、4年生の息子のクラスで、偶然一緒になった韓国のお母さんと
私とで先生にお話を聞いた。

「日本の朝鮮半島支配、中国侵略を勉強したとき、  
 皆の目が日本人であるIan(長男名)に注がれました。  
 クラスの子供たちは日本というとIanの顔を見るのですが、  
 今回の話では韓国のクラスメイトの視線がとってもつらいかったようです。
 これは歴史だと私は強調しました。  
 そしてクラスの中で皆は仲良しなのだから、世界も平和であるように。  
 こういうことは幼いときから教育しなくてはいけません。  
 だからご家庭でもいろいろと教えてあげてくださいね。」

そして先生は付け加えた。
「私はこういう平和教育が好きなんです。  
 だから世界のインターナショナルスクールで教えているんです。」

国連の日、この日に私自身も学ぶことは多い。

 
このコーナーは、Ojinさん主宰の≪WEB_熱線≫=市井から見た中国=というメールマガジンに掲載されたぽんずの雑文を転載しています。

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(c)中国歴史・習慣・風俗の雑記帳「ぽんずのページ」2009