北京に暮らして
 
13:事件と私たち

北京に潜伏していた北朝鮮の人たちが、ドイツ学校に駆け込みをした。
実は私、このドイツ学校のすぐ近くに住んでいる。

日頃から、
「大使館の施設なのに、警備が薄いからねらい目だなぁ」
とおもっていたところ、案の定先日駆け込みがあったので驚いた。


こんなふうに日本でもニュースになるような事件を身近に感じることが多い。
今回の事件ではドイツ学校が臨時休校になっていたが、
我が家の子供たちの学校も臨時休校に二度ほどなっている。

一度は、ユーゴスラビアの中国大使館誤爆事件のとき
北京でデモが行われたとき。

そして昨年9月11日のテロの後。
どちらも数日間学校が臨時休校になった。

アメリカ系の学校に通っているということもあり、
もろに影響を受けた形だった。

しかし、私たちの住んでいるところはアメリカ大使館とは別の地域のため、何事が起きても特に直接影響を受けることはないけれど、子供たちはそれぞれ、いろいろな話を聞いてくるので、どんな話しでもきちんと教えるようにしている。


私が留学していたころは、靖国問題や教科書問題などで学内でデモがあったり、日本の首相批判の壁新聞が貼られたりしたことがあった。

中国人のクラスメートに、
「今日はデモがあるから、危ないからあなたは寮を出ないほうがいいわよ」
などと教えられ、寮の中からシュプレッヒコールを聞いていたこともある。

また、留学生のふりをして大学に入りこんできたマスコミ関係者とも話をしたこともあった。

そして、天安門事件にも遭遇した。

そのときの経験があるからか、ちょっとした事件があっても冷静でいられる。
そんな気がする。


現在では、日中関係で不安な思いをすることはなくなった。
でも、時の総理をはじめとする閣僚の発言には敏感にならざるを得ない。
そしてアメリカの大統領の一言にも。

世界の動向が時として生活にまで影響してくる。
外国で生活をするということはそういうことなのかもしれない。

 
このコーナーは、Ojinさん主宰の≪WEB_熱線≫=市井から見た中国=というメールマガジンに掲載されたぽんずの雑文を転載しています。

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(c)中国歴史・習慣・風俗の雑記帳「ぽんずのページ」2009