北京に暮らして
 
11:旧暦

前回、立秋について書いて「暦の上では」ということについて触れた。
今回は、旧暦についての雑感を。

(日本の)東北生まれの私は、幼い頃祖母が祝っていた旧暦のお節句を覚えている。
「今は誰も祝わなくなったけどね、やっぱりこの日に祝うのが本当だよ」そんなことを言いながら、その時々の食べ物を準備したり、飾り物を準備したりしていた。

北京に18才でやってきて、その祖母の習慣を思い出した。
「日本も中国と同じ暦を使っていたんだなぁ」と思った。

北京での暮らしが長くなってきたら、まずカレンダーで何を見るかというと、中国でいう“農暦”つまり日本の旧暦をまず見る。
「もう7月なんだなぁ。もう秋になるな……」と感じるし、「10月になったんだから寒くなって当然。」とそんなふうに思える。
季節を身近に感じるのが旧暦だ。

中国では、相変わらず節句は旧暦で祝っている。
お正月、端午の節句、そして七夕だってそうだ。
このように、節句は旧暦で祝うものだ、とこちらに来ていっそう強く感じるようになった。

だって、七夕は梅雨時のお節句ではないはず。
本来は初秋のお節句なのだ。
梅雨時のお節句では織姫、牽牛だって、一年に一度の逢瀬もままならないではないか。

先日、旧暦ではようやく七夕を迎えた。
そんなこともあってこんなことを考えた。

 
このコーナーは、Ojinさん主宰の≪WEB_熱線≫=市井から見た中国=というメールマガジンに掲載されたぽんずの雑文を転載しています。

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(c)中国歴史・習慣・風俗の雑記帳「ぽんずのページ」2009