北京に暮らして
 
10:立秋

立秋(8月8日)が過ぎ、北京の暑さもしのぎやすくなった。
窓を開けたまま寝ると、寝冷えしてしまうので、夜はしっかり窓を閉めるようになった。

はてさて日本では「暦の上では秋と言いながら……」と良く言われるけれど、北京では、「立秋過ぎれば……」と一番暑いころには立秋を心待ちにする。
そして確かに(今年はちょっと大げさなぐらい)、立秋を境に過ごしやすくなった。

立秋…これは皆さんもご存知の通り二十四節の一つだ。

日本のカレンダーの中にも立春、春分、夏至などなど書いてあるので馴染みが深いと思う。
だけど日本では「暦の上では」との枕詞がついての紹介になってしまう。

でも、
北京にいると二十四節が確かに、季節の目印になることに気づく。
そして、
旧暦といわれる太陰暦が、太陽暦よりも季節感を伴っていることにも。

立秋。

この日には肉を食べる習慣があると聞いた。
それも脂身の肉。

暑いときには食べられなかったものも、このころから食べられるようになるからだろう。
かつては貴重だった脂身の肉も、最近は敬遠されがち。
それでもこの日に限っては脂身の肉を食べるという。

「立秋なんだからね。やっぱり食べなきゃ」とおばあちゃん。
「私、嫌い!」と孫娘。
「季節のものなんだから、一口ぐらい食べないとね。」
そういうおばあちゃんの言葉にしぶしぶ脂身の肉を口にする孫娘。

そんな場面が目に浮かんだ。

気がつけば、旧暦も七月に突入した。

 
このコーナーは、Ojinさん主宰の≪WEB_熱線≫=市井から見た中国=というメールマガジンに掲載されたぽんずの雑文を転載しています。

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(c)中国歴史・習慣・風俗の雑記帳「ぽんずのページ」2009