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新序・雑事五
葉公好龍
(葉公の好きな龍)


楚の国、葉公の子高はとても龍が好きであった。
帯の留め金にも龍、酒器も龍、家の中の至る所に龍の模様……が描かれていた。

天にいた龍がこれを聞きつけ下界に降りてきた。
頭を窓にくっつけて中を覗き見ると、尾は表座敷にまでのびている。
葉公はこれを見て取るものもとりあえず逃げ去った。

その姿、度肝を抜かれ、顔色なしといったふう。
つまり、葉公は龍が好きと言うわけではなかったのだ。
龍に似たものが好きだったわけで、けして龍が好きだったのではなかった。


2000/11/22

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