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籍川笑林
火焼裳尾(すそに火がついた)


とても気の長い男がいた。冬のある日、友人の男と囲炉裏を囲んでいた。

友人の男のすそに火がついた。

「しばらくまえから教えたいことがあったのだが、おまえは短気だしな。だからといって教えなければ大変なことになるしな。俺はどうすればいいかな?」

そこで友人の男は何事かと尋ねた。

「おまえのすそに火がついているんだよ。」

と男は答えた。

友人の男は急いで火を消して、怒っていった。

「ずっと前に気がつきながらなぜ早く教えなかったんだ」。

男は

「だからおれはいっただろ、おまえは短気だしなって。ほおらやっぱりそうだろ。」


2000/11/22

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