燕京雑考 目次>>秋の風物詩>>

立秋:貼秋膘


まだまだ暑さは続きますが、暑さもあと少し、と思えるようになってくるのが立秋。この立秋の日は昔から、体重を量る習慣がありました。

何のために体重を量るのかというと、夏の間に太ったのか、やせたのかを見るためです。昔の人は、体調を体重の増減で感じたようなところもありますから、やせたとなれば、「苦夏」をすごしたといい、やせた分だけの肉を食べました。これを「貼秋膘(てぃぇちゅうびゃお)」といいます。意味は、秋に脂身の肉を補填する...といったところでしょうか。

「膘」は脂身の肉ですから、このとき食べるのは脂身の肉が多くなります。「豚の角煮(「紅焼肉」)などがよく食べられる料理です。このほか、鶏やアヒルの煮込みなどが食べられます。

現在でもこの日は、脂身の肉が多く売れ、料理屋でも「豚の角煮」などの料理がよく注文されるそうです。

脂身なんて嫌いな子供たちも「習慣なんだから、今日は脂身のお肉を食べなきゃ」とおばあちゃんたちに言われて、いやいやながらも食べているすがたが、思い浮かばれます。


2010/08/08

<<秋の風物詩<<燕京雑考 目次