燕京雑考 目次>>春の風物詩>>

北京の花の名所


日本でも梅を楽しんだり、桜のお花見をしたり、そういう習慣がありますが、北京でも春、花を楽しむ習慣はありました。

花の名所は多く、その時々で、あちらこちらに色々な花を愛でに出かけたようです。

杏の花は、北京郊外の黒龍潭。ここには城内からロバに乗って出かけたといいます。

萬壽山(頤和園)の木蓮は、清朝が倒れて後、一般の人にも開放され、ちょっとした遠出を兼ねてのお花見の楽しみの場所になりました。

手近なところでは、

ライラックは法源寺、牡丹は崇效寺、が有名でこぞって見に出かけたようです。こちらも民国以降になりますが、当時の中央公園、今の中山公園は牡丹の名所として気軽に出かけられる場所です。

物の本によりますと、花を愛で、詩を詠み、茶や酒を楽しみという花見の仕方が中国にもあったとか。

ここに私は、臥仏寺の桜桃を加えたいです。ここの「桜桃溝」の桜桃の桃色は北京にすんでいて、本当にホッとできる色でした。私が日本人だからなおのこと、桜の代わりに、あの桜桃を季節の花として、美しく思ったのかもしれませんね。

かつての花の名所ばかりでなく、各公園などで美しい花々を愛でることができます。花を愛でて一献、一首をはいかないかも知れませんが、ぜひ北京の花を楽しんでください。

絵は「法源寺のライラック(丁香)」
「燕京風物」より王羽儀画


2005/03/26

<<春の風物詩<<燕京雑考 目次