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☆ 何も出来なくても大丈夫!?
私は何でも娘にさせるタイプだ。
そのせいか、娘は、幼いころからキッチンにも立つし、針と糸も持っていた。
反対に母は、自分でやったほうが良いと思うタイプで、結局私は、ひと通りは出来るようになったものの、なんでも母にやって貰う習慣がついてしまった。李華さんは、私の母のタイプだ。
私も結構甘えて、あれやこれや頼んでしまう。「私も、娘が幼いころからなんでもさせれば良かったのだろうけれど
何もさせなかったから、今になって何にも出来ないって焦るのよね。」
あるとき李華さんがこういった。
「勉強さえしてれば……ってそういう意識もあったし。
でもそうじゃないのよねぇ。 今からじゃ手遅れかもしれないけれど、
これでも多少させるようになったのよ。」
という、それは日本でも一緒だと思うと彼女に言うと、
「あなたは違うじゃない?あなたのやり方見ていて、私も反省したの。
小さいころからやっていると、何をするのも面倒に思わなくなるし。」
という答えがかえってきた。
「でも、子供にさせるのって、なかなか根気がいるわよね。」 という。中国では一人っ子。
いつだって大人の目が行き届いていて、親がダメなときには祖父母、と必ず手 を出してくれる人がいるのだ。箸より重いものを持ったことがない……なんて 言い方を日本でもするけれど、中国の小学生なんて自分で学校の鞄を持ったこ ともないのではないだろうかとも思う。「こんなだからね、何も出来ない子供が増えちゃうのよね。
最近大学の寮には洗濯機が備えつけられたって。
でも使い方も知らない子達が多いらしいわ。」「こんな子供達が結婚したらどうなるのかしら……」
と李華さん、心配しながらも
「私が助けられるうちは助けるけれど。」
それを楽しみにしているようにも思われる。ーー最近、こんな話になった。
「学校から1週間ぶりに戻ってきた娘の、シャツのすそがほつれていたの。 『どうして直さないの?』ときいたら『どってことないじゃない。』ですって。
『同じ部屋の子はみんな出来るけど、私はこういうことできないし。』
ですって!呆れてものが言えなかったわ。」そして彼女が付け加えた言葉が印象的だった。
「学問をした人は、そういう雑事しなくてもいいのよ。
働いてお金が入るようになったら、お手伝いさんを雇えばいいんだもの。」ーーそれが今の中国の大都市..なのかもしれない。
2003/05/23
>>李華さんのいま話、むかし話>>
(c)中国歴史・習慣・風俗の雑記帳「ぽんずのページ」2009