野球部会報 第二号 

1989年10月

 

 長いこと御無沙汰しておりました。北京も落ち着き、野球の試合をと考えていましたが、メンバーの入れ替わりがあり今まで試合が行われませんでした。(広江前監督の送別を兼ねた紅白戦は行われましたが)

前回の試合から今回の試合までの間に

以下の方々が帰国されました。

 広江前監督(東京銀行)

 白拍子さん(大永紙通商)

 中下さん(国貿促)

 渡辺さん(住金物産)

  以下の方が御結婚なさいました。
おめでとうございます。

 南さん(元ニチメン)

 鈴木さん(加商)

 仲本さん(イトマン)

それから、唯一留学生で参加してくれている阿部君がキユーピーに就職することが決まりました。まだ事務所はないということですが、将来駐在員として野球部に戻ってきてくれることと思います。楽しみに待っていましょう。

また、新しいメンバーもよろしくお願いします。(試合報告の中で随時紹介していきたいと思います。)

 


副島キャプテン送別試合

 10月22日、先農壇のグランドにて副島キャプテンの送別会が行われました。相手は住友商事さん。
 去年24対13と楽勝しているため、キャプテンのはなむけになるのでは(?)と思いながらの試合でしたが、さてその結果は……

後列 阿部、渡辺、川瀬、田中、三井、入江、野口
中列 大曽根、山崎、還田、鶴田、渋谷
前列 村上、副島、仲本、佐藤、()大夫、宇佐美

こちら対戦相手の住商チーム

手前から三番目・安部氏、四番目・武内氏は貸し出し

 

 [試合経過]

 久し振りの試合に皆緊張気味。村上監督は就任後、初めての采配ということで野球部には珍しい無難な打順で攻撃開始。しかしゴルフに現を抜かしていたメンバーの表情は心なしか硬い。

 住商の攻撃は初参加で早速貸し出された三菱商事の安部から。投手としても活躍が期待されるため、早くも貸し出しを間違ったのではという声が。しかし今年は試合数が少ないので今日のうちに成績を残そうとしている三井がよいスタートを切り、三者凡退。お昼からの仕事も顧みずマスクを被るシャロンのマスター鶴田のリードが光る。

 二回 MVPに強い意欲を見せる三井が三振ながら「振り逃げ」で生きる。その後相手のエラーと盗塁で得点。他メンバーの出番なし。

 しかしそれで黙っているメンバーではない。その裏、「何とか目立たなくては」とあせる昨年三井とMVP争いをした佐藤が、ショートゴロをトンネル。めったにない出来事だけにベンチはわいた。

 三回 出塁率抜群の還田が相手のエラーを誘い出塁。続く山崎は二日酔いのはずがレフトにきれいなヒット。盗塁、エラーで塁を進めていた還田が返って二点目。息子に負けてたまるかと気負う入江はサードゴロ。とりあえず子息の訪中に期待がかかる。次なる大曽根はボールに怯えながらバッターボックスに。ボールがバットに当たりベンチからは驚きの声が。しかし結果はファーストフライ。今にももどしそうな山崎を二塁において新監督登場。ゴルフばかりしていると言われたくないというその思いがボールを飛ばした。貸し出したセンターの竹内がボールを追う。山崎はふらふらしながら返ってくる。村上は三塁を走りぬけ皆の制止も聞かずホームへ。外野竹内からよいボールが返ったがセーフ。丸紅戦の広江のタッチアップが頭をよぎる。続く渋谷は長い攻撃を終わらせるために三振。

 五回 今日の主役副島が四球を選ぶも三井はサードゴロで副島二塁封殺。続く渡辺からは相変わらず快音が聞かれない。それを見越してか三井は二盗三盗を決める。阿部のレフト前ヒットで三井が返ると、阿部がまたもや盗塁。鶴田は阿部に協力、粘ってホームまで返らせたが自らは三振。

 裏 ノーヒットノーランを意識しすぎた三井はこの回痛恨のデッドボール。気落ちした三井を後目にランナーが盗塁を二つ決める。これに動揺したかワイルドピッチで1点献上。

 六回 野口三振のあと還田が四球を選び走り回る。盗塁王は誰の手に渡るやら。山崎はエラーで出塁するが相変わらず苦しそう。しかし誰もが見ないサインをしっかり見ていた。果敢に二盗を試みるが相手もそんなに甘くない。二塁で刺され二アウト。バッターボックスの入江は三振の三アウト。

 この回裏から投手は野口に。しかし「パパがんばって!」「なおちゃんのオジちゃん!!」という相手側の可愛らしい声援にほだされたのかヒットを許す。子供好きの副島もつい(?)エラーをプレゼント。2点目を進呈した。

 七回は大曽根、村上、渋谷と三連続三振に終わるが、八回作られたような場面が展開する。……

 丸紅戦当たりのよかった仲本が今日は調子悪く三振。新婚の奥さんが明日帰国というのが響いているようだ。ここまで遠慮がちの川瀬が監督に請われこの回始めてバッターボックスに立つ。大学時代、国公立戦で東大と互角の試合をしたという川瀬、その球歴に違わずセンター方向にきれいなヒット。ベンチから「さすがぁ」と言う声が洩れる。打順は一番に戻って、今日はあたりのよくなかった宇佐美がレフトにヒット。続く田中はサードゴロ、セカンドにボールが送られ川瀬アウト、二アウト一、二塁。続く佐藤がレフトにきれいなヒットを放ち、二アウト満塁で次なるバッターは今日の主役副島。ちなみに三塁の宇佐美はホームに返る機会を見送ったのか、見逃したのか。

 お膳立てされたような場面の今日の主役に期待がかかる。その副島、皆の期待に応えレフトへ満塁ホームラン。お膳立てがされた(?)とはいえ主役のホームランにベンチは蜂の巣を突っついたような騒ぎになった。ここ出るとはさすがキャプテン。

 この裏相手を0点に押さえ、九回追加点を加え、先ほどのヒーロー副島がマウンドへ。投げては1三振1四死球と無難に押さえ、12対2で試合を終えた。

 今試合の長打

 二塁打: 安部(住商貸出)

 本塁打: 村上、副島(満塁本塁打)

 

 この試合は盗塁がたくさん出ました。誰が口火を切ったのか盗塁王争いに輪をかけたようです。参考までに10の盗塁のうち半分が阿部君の盗塁。
 また、やっと決まったと思った渡辺(雅)さんが帰国し、穴のあいたファーストですが、阿部君が頑張ってくれ、これで一安心。

 毎回こんなに勝ってしまってはもう相手にしてもらえないのではないかと思いながら……。それでもキャプテンを送るべく点をとりまくった今回の試合でした。

 続いてシャロンにて昼食がありました。これが本当に最後なのか副島さんの挨拶、監督の言葉、そしてキャプテンの引継ぎが行われました。

 日本に帰られても野球部のOB会をつくり頑張られるという副島さん
「今までご苦労様でした!!これからも頑張って下さい!!」

 


OB会

 商工クラブの会報に今回は野球同好会の活動模様を寄稿しました。(その下に野球部のある様子がないという今回初出場の武内さんの「私の休日」が載っていたのは御愛嬌) そのなかで日本でOB会を作るということをキャプテンの一言として書いておきました。

 今までも機会を作ってはOBの方たちが日本で集まられていましたが、名物主将の帰国でOB会が正式に発足しそうです。

 あわせて、この会報も日本のほうへ送りたいと思っています。また、OBの方の投稿も期待したいと思っています。

 


新幹部紹介

 広江監督の帰国に続き、副島キャプテンが帰国されるため、幹部が新しく選出されました。新幹部の選出は、14日、十三陵に泊り込みで行われた「主将送別ゴルフコンペ」でなされました。

新監督  村上(加商)  来年年頭には帰国するかもしれないという新監督。
宇野政権と言うあだ名がすでに付いています。
今回は、就任後の初勝利、今期もう一度ぐらいは試合としたいところ。
助監督 三井(トーメン) 次期監督はこの人。しかしこの人も「宇野政権」で終わりそう。
助監督ばかりでなく投打の活躍をこれからも期待しています。 
新主将 仲本(イトマン) マネージャーから昇格。不意の(?)結婚をして落ち着いたのではと
これからの主将業に期待がかかっています。
マネージャー 野口(川崎重工) すでになにもなにもしないという事が定評になりつつある。
すべては実質のマネージャーの「夫人」の肩かかっている。

 という顔ぶれの新幹部。なにとぞよろしくお願いいたします。

 


寄付

 今はなき(?)名物男の一人、大永紙通商の白拍子さんから会報用にとコピー用紙をいただきました。大切に使わせています。ありがとうございました。

 


後記

 第2号お届けいたします。またもや勝ってしまいました。勝った試合は編集しやすいです。

 今期、二戦全勝です。

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