八てん一鐘:崇文門はなぜ鐘で時を告げるのか
北京の城門には、木枠の中に楕円で扁平の「テン」という鉄の塊があり、それを鳴らして、毎晩城門を閉める時間を知らせていました。しかし崇文門だけは、「テン」ではなく、鐘を鳴らしていたので、八てん一鐘と北京では言われていました。 なぜ、崇文門だけ、鐘を鳴らしていたのでしょうか。それにはこんな逸話があります。 北京の城壁が造られていた頃、崇文門付近から水がでてどうしようにもなくなりました。水を止めるために、近くにいた亀の体で穴をふさぎ、何とかしのぎました。 穴に嵌められた亀は「いつになったら、放してくれるのだ」と問い詰めました。「城壁が出来上がって、城門からテンの音が聞こえてきたら、そのときに、おまえを放してやる」と約束しました。 そのためその亀に逃げられないよう、城壁が出来上がったとき、崇文門にだけはテンをおかず、鐘を置き、それで時を知らせることになりました。 そのため、崇文門だけは、テンではなくでは鐘で閉門の時間を知らせることになったのだそうです。
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2001/03/06